人生の議事録

やっていることとか、考えたこととか。

人生最大のピンチを瞑想とハンターハンターで乗り切った話

人生最大のピンチと言えば少し言い過ぎかもしれないが、間違いなく2017年度最大のピンチだった。

 

先週の木曜日、私は電車に乗った瞬間フラッと立ち眩みがした。

 「ヤバい体調悪いかも」と思った瞬間...

胃の奥からなにやらこみあげて来るものがあり、大きく電車が揺れようものなら、吐しゃ物をまき散らしかねない状況だった。

 

 

というのもその日は、仕事終わりに会社のメンバーとフットサルをしており、20:00~22:00までみっちりと身体を動かした後だった。

しかもその日はいつもより運動量が多かったのか、帰りの着替えの最中に足をつらせてしまった。

 

 

ただ足がつること自体は、始めてではないので特に気にしていなかった。

とにかく家に帰ってシャワーを浴びたい、ベッドにダイブしたい。

疲れ切っていた私はこれしか考えることができなかった。

 

 

時間帯的には22:30頃だったが、そこそこ乗車率は高く、私が吐こうものなら多くの人に迷惑くをかけてしまう。

それだけは絶対に避けたかった。

 

 

電車に乗る前の私には2つの選択肢があった。

各駅でだらだらと30分かけて帰るか、急行に乗り12分でパッと帰る。

 

 

各駅には滅多に乗ることはなく、いつも急行で帰っているのだが、その日だけは電車の中で体調が悪くなったら困るから、各駅で休み休み帰った方がいいのかな?という考えが一瞬脳裏を過った。

 

 

しかし、とにかく1秒でも早く家に着きたかった私は、少し悩んだ末に急行で帰ることにした。

今考えればその判断が間違っていたのかもしれない。

 

 

急行電車のドアが閉まった瞬間、ネガティブな考えが頭をぐるぐるし始めた。

急行は確かに12分で帰ることができるが、つまりそれは12分間は外には出られないということ。完全に密閉された状況でどんなに体調が悪くなろうと降りることは許されない...

待てよ、これはある意味地獄なんじゃないか...?

 

 

こんなことを考えているうちに、急に心臓の鼓動が速くなった。

「ヤバい、ヤバい、ヤバい」

急に心臓の鼓動は速くなるし、変な汗は出てくるし、胃の下から吐き気がこみあげてくるし、完全に詰んでしまった。

 

 

どうしようもないけど何とかしないといけない。

そこでまずは、焦りと体調不良から荒くなっていた呼吸を整えようと考えた。

呼吸を整えるといえば、1年半以上やっている瞑想しかない。

 

 

瞑想に助けられたことは過去に一度だけあった。

それは去年、富士登山に挑戦したときのこと。

 

 

9合目くらいまで登ると酸素が薄くなり、まともに呼吸するのが難しくなる。

その時も呼吸が普通にできないことに焦りを感じて、何とかしようと瞑想を試みたことがあった。

 

 

口からゆっくり息を吐き、鼻から大きく息を吸う。数を数えながらとにかく呼吸することだけに集中する。

30分くらい続けると見事に呼吸は落ち着き、高山病になることなく、頂上まで登りきることができた。

 

 

この経験から今回も瞑想で乗り切ることができると、確信した。

口からゆっくり息を吐き、鼻から大きく息を吸う。数を数えながらとにかく呼吸することだけに集中する。

 

 

5分くらいすると、最初のころよりはずいぶん楽になってきた。

よし、これは行ける!あと、7分間耐えよう。

しかし、そんなに甘く無かった。

 

 

「ガタンッ!!」

電車は急に大きく揺れ始めた。

その影響で吐き気がこみ上げてくるので、せっかく整えた呼吸もまた乱れてしまう。

 

 

時折大きく揺れる電車内は、富士登山の時とは状況が違っていた。

富士登山では、体調不良になっても周りに助けてくれる人が沢山いるが、今は完全に自分ひとりだけ。

 

 

呼吸を整えるだけではダメだ、もっと気を紛らわせないと....

おもむろにスマホTwitterを立ち上げた。

特に読みたい記事はなかったのだが、とあるリツイートに目が留まった。

 

 

manato-kumagai.hatenablog.jp

 

 

この日はハンターハンター34巻の発売日だった。

そして、私もハンターハンターの大ファンなので、どんなことが書いてある記事なんだろう?とすぐに食いついた。

 

 

内容は、ハンターハンターが大好きでしょうがない愛のこもった記事だった。

私はハンターハンターをまだ3週くらいしかしていない未熟者だが、この方は、十数週しているのだろう。

 

 

セリフはほとんど丸暗記してしまったと書いていたので、もしかするとそれ以上に読み込んでいるかもしれない。

いや、きっとそうに違いない。

会話中にヒソカというワードができた瞬間に無慈悲の咆哮打つほどのお方だ。

 

 

 そして、ハンターハンターの新刊を読むために、幽遊白書まで戻る人がこの世に何人いるだろうか?

 いや~世の中は広いな、私のハンターハンターへの愛が100だとすると、1億くらいありそうだ。

 

 

てかそんなことはどうでもいいや。

大好きなキメラアント編を読みたくなったぞ、今日あたり借りに行こうかな?

 

 

とかなんとか思っているうちに、駅に着きましたとさ。

 

 

ふ~。ほんと助かった。

この記事がなかったら私は、吐しゃ物を周りに吐き散らし、多くの方に迷惑をかけ、その乗客の人達に、「昨日さ、帰りの電車でゲロ吐いたやつがいて、ほんとマジ迷惑だったわ。くっさいし、しかもちょっと服についたし!クリーニング代払えよなボケが!」

 

とか言って話題にされて、Twitterでも「電車でゲロってるやついて草生えた」とか書き込まれていたのではないかと考えるとぞっとします。

 

 

記事を書いてくださり、本当にありがとうございました。

 

 

この恩を少しでも返すために、明日から山にこもって感謝の正拳突きをしようと思います。

 

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おわり。